2013年2月28日木曜日

惑星のさみだれ

物語自体は、中学2年生がたまらなく好きそうな設定。
コンセプトは練られているが、けっして巧みなストーリーではない。
画力も味はあるが、高度とは……。

ところが、なんだろう。
話が進むにつれて高まってくるこのおもしろさは。

ひとつは作者の思い入れの強さだと思う。
最後まで読めばわかるが、非常に真摯に作ってある。

事実上の主人公、さみだれの少女としての恋する気持ち。
願望と恋心の葛藤が、とてもリアルに描写されている。












2013年2月27日水曜日

惡の華

変態的ではあるけれど、天才的な作品。

想像だけでこの温度と湿度は出せないだろうと思っていたが、どうやら半自伝的作品らしい。
しかし、この作品を描いてしまったら、もう怖いものはないだろうな、押見修造。
過去作『漂流ネットカフェ』もかなり自伝的な要素があったらしく、じっさい、「奥さんとの関係が揺れた」とあとがきに書かれていたが、この『惡の華』も相当なもの。
ここまで身を削って描き出す情熱を高く評価したい。

ただ、思春期のひとは読まないほうがいいかもしれない。
酔う危険性が少なからずある。








2013年2月26日火曜日

鋼の錬金術師

ありそうでなかったダークファンタジー。
女性の描く戦闘シーンはどうしてもテンポが気になるが、この漫画は例外。
にもかかわらず、戦闘シーンは必要最小限にとどめるさじ加減。お見事。
少年漫画だが、長い戦闘シーンが苦手な女性にこそおすすめしたい。

個人的に好きなキャラは、ランファン。
くのいちで美少女で高い戦闘力。そして、一途。
「どうだ……出し抜いてやったぞ化け物め!」のシーンは泣けた。











2013年2月25日月曜日

荒川アンダーザブリッジ

シュールテイストのギャグ漫画。
ハマると止まらなくなる。
3巻ぐらいまではわりと万人受けする内容で、そのあとは、だんだんと狭き門へと向かう展開。

ほとんどのキャラが、ぶっ飛んでいる。
シスターもマリアもすばらしいキャラだが、ニノさんが個人的に好き。


じつは、シリアスな設定が隠されている。
エンディングは想定済みなはずだが、同じスタイルでひっくりかえそうとしている有名な漫画があるので(しかも、おそらく同時期にラストをむかえる)、少し心配。










2013年2月24日日曜日

溺れるナイフ

本当に幼い年齢の少女が、とある不思議な少年に出会うことから始まる物語。
作者が描きたかったものはなんだろう?
10代前半特有のあやうさか。
それとも純粋さゆえのもどかしさか。
いずれにしても、きれいに表現できていると思う。
この作者がこんなに器用なひとだとは想像していなかった。
あとは物語がどこに向かうのかを見守っていきたい。











2013年2月22日金曜日

Heaven?

独特のギャグ漫画。
オーナーの女性がひどすぎる。
最初は個性的なだけで魅力のあるひとなのかなと思っていたけれど、話が進むほどに人間性のひどさが露呈してくる。
でも、おもしろい。









2013年2月21日木曜日

主に泣いてます

なんと表現していいのかむずかしい漫画。
個人的には大好き。
でも、やり過ぎ感が満載すぎるとも思う。
ギャグの伏線が多すぎて、参考の画を貼ることすら厳しい。
感性が合うひとには、ものすごくおもしろいはず。





2013年2月20日水曜日

それでも町は廻っている

日常系のギャグ漫画かな?
いいかげんな設定に見えて、非常に計算されている。
とくにキャラクターの造形が秀逸。
話が進むほどにおもしろくなっていく構造になっている。
おおざっぱにみえて、ディティールまで作りこまれているからだ。

個人的には、紺先輩がすごく好き。


本編とほとんど関係ないけれど、第47話が好きで好きで。
雪子ちゃんがとてもかわいい。
以下は雪子ちゃんの名言。
「なぜオメガスティックをつかわなかった……あれをつかえばかてたっ……!」



2013年2月19日火曜日

君に届け

語るまでもないぐらい有名な漫画。

非常に教科書的ともいえる少女漫画だ。
ヒロインのキャラ設定が絶妙。
作者さん、いろいろ考えたのだと思われる。

基本さわやかな展開なのだけれど、そこにわざとらしさがない。

かなり無茶なことをしかけてくるライバルなんかもいるが、
これもじょうずにからませたなあという感じ。

個人的には、アニメが、漫画以上に秀逸。











2013年2月18日月曜日

高杉さん家のお弁当

お弁当漫画。
いろいろとぎこちない部分もあるが、総合的には好きな作品。

ヒロインがかわいい。ヒロインっぽくないところがまたいい。

作者も自分で言っているが、もう少しお料理の幅が増えるといいかな。








2013年2月17日日曜日

テルマエロマエ

「風呂漫画」というジャンルらしいが。
ほかにもあるのだろうか。

斬新であることはたしかだ。
アイデアのおおもとは思いつきだろうが、それを支える知識と経験がすばらしい。

せっかくおもしろい話なので、なるべく破綻させずに終わらせてほしい。







2013年2月16日土曜日

きのう何食べた?


料理漫画というジャンルでいいのかな。
いわゆるこだわり料理というよりは現実的かつ日常的な料理がほとんど。
つゆの素の底値の話まで出てくるし。

テイストがすごく好きなので、個人的には長く続いてほしい。

しかし、主人公はすごくマメだ。神経質なのかもしれないが。









2013年2月15日金曜日

青い花

『青い花』。
読む人を選ぶ作品かもしれない。
テーマが。
好きな人は大好きで困るだろうなあ。

絵がきれい。
ストーリーも重たすぎず。
彼女たちの恋はどこに向かうのだろう?











2013年2月14日木曜日

よつばと!

あえてジャンル分けするなら「日常系」なのかな。

ヒロインの魅力が全開なので、ジャンル分けとか意味ないかもだけど。

出てくるキャラがどれもいい。

ゆるい感じなんだけど、じつはきちんとしてる漫画だ。







2013年2月12日火曜日

3月のライオン

将棋漫画。
そのはずなのだが、お話はわりと広いレンジで展開する。
女子たちの恋とか。


将棋についてももちろんきちっと描写されている。
巻数を重ねるごとにしっかりしていってる感じ。

総合的には非常にバランス良くまとまっている。

ちなみに、この作者の描く動物はぜんぜん可愛くないのだけれど、非常に魅力があるから不思議だ。

『ハチミツとクローバー』については、またべつに書こうと思う。












2013年2月11日月曜日

乙嫁語り

嫁漫画というわりとめずらしいジャンルの『乙嫁語り』。
とはいえ、内容はきちんとしたストーリー漫画。
ヒロインがとても良い。清々しい。
作者の好みをありったけぶちこんだらこうなったらしい。
ディテールの描写もていねい。じゅうたんとか。装飾品とか。

『エマ』もたいへんすばらしかったが、個人的にはこちらのほうが好き。









2013年2月10日日曜日

坂道のアポロン

この漫画、なにしろ時代が完全に昭和。
そこが魅力でもあるのだけど。
作者さん、描くの苦労しただろうなあ。
時代考証とか。

基本は地味だけど、なかなかしっかりした物語が展開する。

ほのぼのしてる部分も多くて、うっかりしてるとホロッとする場面もあったり。
ラストまで乱れずに収束していくので安心して読めた。







2013年2月9日土曜日

うさぎドロップ。

『うさぎドロップ』は、わりとわかりやすい愛情の物語。
だれかを大切にすること。
ただ、いっしょにいること。

子育て漫画の要素も、もちろんあるのだけれど、メインは愛情。

ラストの展開を失敗だと考えているひとたちがいるらしい。
その気持ちもわかる。
「ヒロインとそれを支えた人物に好感を持っていたゆえに」だろうから。
でも、あのラストじゃないと、ヒロインはなにも返せないまま終わってしまうと思う。

逃げなかった作者さんは男前だなあ。女性だけど。

追記
アニメ化されている。
かなり忠実な再現。
ただ、もう少しだけやわらかなテイストのほうが好みだったかな。
漫画の世界にどっぷり浸っているひとが見ると若干の違和感があるかも。








2013年2月8日金曜日

夏雪ランデブー。


最初にどの漫画のことを書こうかと迷った。
語りたい作品はたくさんあるから。
本棚をざっと見渡してみても、やっぱりなかなか決められない。
初めはいわゆるメジャーどころにしようかなとか思ったけれど。。。
あえて、好きなものから始めてみようかと。
それが、『夏雪ランデブー』。

物語は、すごくせつない。
主要な登場人物3人は、みんなそれぞれの想いを胸に秘めている。
だれかを想えば、だれかが傷つく。
恋心よりは愛情を表現することが優先されているため、熱くて冷たい印象を受ける。
だが、残酷ではない。
作者の個性が明確に出ているため、合う人にはすごく合うと思う。
重要な意味を持つモノローグがとても詩的で、じょうずに使われている。
短歌や詩が好きなのだろう、きっと。
この作者の作品については、ほかにも書こうと思う。
追記
この漫画はアニメ化されている。
ほぼ原作に忠実に制作されている。
ただし、作品の持つ特有のふんいきを表現するのはむずかしかったのかなという印象。